薬膳の基礎 Vol.2

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このコラムでは栄養学の基礎に加えて東洋医学の中国医学(中医学)に基づく薬膳学の知識を加えたアスリートの食事を考えていきます。

今回は薬膳の基礎2回目です。

薬食同源

「食べ物と薬は同じ」という考えは「薬食同源」の言葉になっています。

昨今では「医食同源」が一般的ですが、「薬食同源」は「医食同源」の語源です。まさに薬も食べ物も同じということです。私たちが風邪の引き初めによく飲む「葛根湯」を考えてみましょう。

「葛根湯」は体を温め発汗を促すことで、かぜを治そうとする力を高めてくれる薬です。「葛根湯」には「葛根、(ま)(おう)、桂皮、芍薬(しゃくやく)(かん)(ぞう)大棗(たいそう)生姜(しょうきょう)」が含まれています。

では成分を確認いたします。「葛根湯」に含まれる「葛根」は、熱を取り、肩のこわばりを取る作用をする薬(漢方)です。食用として使用する「くず粉」は根から取り出されたデンプンです。「麻黄」、「芍薬」は薬(漢方)で前者は体を温め発汗を促す効果があり、後者は鎮痛鎮静、抗炎症効果があります。「桂皮」は簡単に説明しますとシナモンのことで体を暖かくする食材です。「甘草」は漢方薬の調整剤としてよく使用され、醤油、味噌にも使われている甘みのある草で、効果として去痰、鎮痛作用等があります。私たちが食材として使用するときには1日1gと量が決められています。他の「大棗」,「生姜」はいずれも食材としてもよく使用されます。食材名は「大棗」は「なつめ」、「生姜」は「ショウガ」です。

このように葛根湯の中には食材として使用される「葛根、桂皮、甘草、大棗、生姜」が入っています。まさに「薬と食べ物は同じ」つまり「薬食同源」と言えます。

Point

  • 「薬食同源」は「医食同源」の語源
  • 薬の葛根湯の中には食材として使用される「葛根、桂皮、甘草、大棗、生姜」が入っている

未病と食養生

最近テレビで「未病」という言葉をよく耳にします。「未病」とは「未だ病にならず」を意味し、「自覚症状はあるが検査で異常が見つからない状態」「病気という程ではないが、 病気に向かいつつある状態」です。

私たちはこの「未病の状態を癒して元気になる」または「未病状態から脱して病気にならないようにする」ことが大切です。自分でできる養生法として「毎日の食事」が自分でできることで、「食養生」をすることです。

スポーツをする方々は自分の状態を最善にして競技に参加をすることが求められています。「自分の体調に合った食事」または「体調不調改善の助けとなる食事」でself-medicationができると考えます。この考えは現代医学における「予防医学」に通じるものがあります。

自分に合った食事で自分の体調を調整したいとき「栄養学」に「薬膳」の考えを加えることにより自分の体調に合ったオーダーメイドの食事をすることができます。

「薬膳」の考えは中国医学(中医学)に基づいています。中国医学には「陰陽」「五行学」等の理論がありますが、ここでは「薬膳」の一番重要なことに焦点を絞ってご説明いたします。

それは「三因成宜(さんいんせいぎ)です。三因成宜(さんいんせいぎ)」には次の3つの考えがあります。

因時成宜(いんじせいぎ)」「因地成宜(いんちせいぎ)」「因人成宜(いんじんせいぎ)」です。

次回は「三因成宜」についてご説明いたします。

遺伝子で可能性を最大限に引き出す

&DNA

「&DNA®」“遺伝子と共に生きていく”という想いがこめられています。遺伝子は、一生変わることのないジブンそのものです。「&DNA®」は、ジブンの可能性を最大限に発揮できる一助になれると確信しています。 各スポーツに特化した開発を今後も続け、さらにはスポーツだけに留まらず健康分野にも拡大し、シリーズ化して参ります。